2000年に、LASIK手術に必要な、エキシマレーザー装置が厚生省から認可され、手術が激増し、2008年には、メーカーの推定値で日本では約45万眼(約22万人)の手術が行われ、アメリカでは約140万眼なので、経済力、人口からすると妥当な数値だと思われますが、リーマンショック後の不況の為に、減少に転じ、2014年には、約5万眼弱となりました。アメリカでは、増加に転じていますが、日本の件数は横ばいで、他国に比べ、異常に少ない状態が続いています。
エキシマレーザー装置
(WaveLight(ALCON)社 EX500)
Eximer LASERを、WaveLight(ALCON)EYE-Qから、EX500に変更しました。
EC-5000,S2,S3,WAVE,EYE-Qの次で5台目です。
WaveLight EX500は、照射時間は最短(2012-8 時点、2番手はAMARIS-750)で、実績のある照射プロファイルで、TOPO-LINK,Q-ajustなど、必要はものは全てあり、現時点で最高だと思います。
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ALLERETTO Wave Analyzerは、Tscherning方式(グリッド投射方式)による、ALLERETTO Waveと直結するWaveLight社のwave-front測定機です。この機械の測定値を用いて、wave-front-guided照射をします。
ALLEGRETTO Wave Topolyzerは、ALLEGRETTO Wave と直結する WaveLight社の角膜トポグラフィー測定器で、この機械の測定値を用いて、topo-link(guided) 照射をします。
OPD-scanは、スキア方式による、NIDEK 社製のwave-front測定機です。手術前手術後の不正乱視( 高次収差 )の確認と、Q-ajust 照射用のC12値の測定をします。
ALLEGRETTO Wave Oculizer(PENTACAM)は、ALLEGRETTO Wave と直結する、slit-scan 原理の角膜形状解析装置です。Topolyzer より高精度のtopo-link 照射をします。
wave-frontとは
普通、眼の屈折異常は、遠方視の眼鏡矯正度数で表現します。すなわち球面(凹凸)レンズの度数と、柱面レンズ(シリンダ、これは正乱視)の度数と軸です。この方法では、「不正乱視」=
「眼鏡で矯正出来ない乱視」= 「高次波面収差」は表現できません。
光は、波としての性質も持っており、網膜中心窪から出た光が、眼から外へ、出てくるときの同一位相の面(wave-front)として、屈折を表現できます。完全な正視であれば、平面となります。通常は、何らかの歪み(進みと遅れ)をもっており、これが屈折異常に相当します。この表現方法の優れている点は、その中に不正乱視も含んでいることと、空気と角膜の屈折率で換算することにより、どう角膜を削れ(位相を進ませる)ば、全ての収差(屈折異常)を無くせるかを、直接に表示している点にあります。すなわち理論的には不正乱視も矯正出来ることになり、裸眼視力だけでなく、矯正視力の向上も期待できることになります。
カスタム照射とは
眼鏡に相当するレンズを角膜で削り矯正する照射方法を、通常法、planoscan, またはstandard法と言います。更に個々の眼に存在する不正乱視矯正も追加して、治療する照射法をカスタム照射といいます。眼球全屈折にたいして行うwave-front guided 法と、角膜表面のみのtopo-link と、屈折の球面収差補正のみの、Q-ajust 照射の 3種類があります。手術術式として、PRK/LASEK/Epi-LASIK/LASIK/Intra-LASIK/RS-LASIKと組み合わせます。高次収差のデータだけを考えるならば、フラップの存在しないPRK/LASEK/Epi-LASIK の方が、結果が良いことが判っています。
エキシマレーザー手術による不正乱視の増加
LASIKのフラップを作るだけで、30%程度高次収差が増加します。マイクロケラトームの種類によっても違います。また、エキシマレーザー照射ではwave-front guided照射しても、平均値をとれば手術前よりも増加します。しかし、4mmφでみて、2倍くらいまでなら、高次収差が増加しても、意外に矯正視力には影響しません( これは高次収差が多少減少しても、矯正視力は向上しないことも意味します) 。暗所視力に、最も影響するのも低次収差( 眼鏡矯正できる )ですが、次に重要なのは球面収差です。これが大きいと、瞳孔が拡大すると焦点変動のために、眼鏡で矯正しても見にくくなります。理由はエキシマレーザーで平面のプラスチック板を削って、完全なレンズが出来ても、人間の眼ではそうは成らず、球面収差が増加します。これは、
・角膜は曲面なので、中央部と周辺部ではレーザーの切除効果が違う
・切除により角膜繊維のスリップ現象がおこる
・凹んだ部分を角膜上皮が覆って、レーザーによる切除効果を減弱させる
等が理由です。
ALLEGRETTOでは、standard照射であっても中央部と周辺部のバランスを変えて(prolate profile ablation,wave-front-optimized,wave-front-ajusted)、球面収差を最小限にしています。他のメーカーでstandard照射でも対応しているのは、ZEISS Mel80のみです。VISX S4, ALCON LADARVISION 4000, Nidek EC-5000 CX II では、wave-front guided照射でのみprolate profileになっています。某社の某製品は最新型であっても、wave-front guided照射してもprolate profileになっておらず、大きく球面収差が増加します。
wave-front guided,topo-link,standard照射のどれを選ぶか?
理論的には、全高次収差の矯正を目指すwave-front guidedが良いと思われていますが、問題点もあります。
・測定値の信頼度が判断しにくい。
・近視の程度が強いと球面収差が無視できない。
・乱視が大きいと低矯正になりがち。
・高次収差は加齢により変化していく。
・散瞳状態の測定なので、照射状態では、多少アラインメントが違う。
これに、比べてtopo-linkは、角膜のみの高次収差の矯正ですが、
・wave-frontよりは測定精度が高い
・球面収差の変化量をコントロールするQ-ajustができる
・自覚的乱視値を利用しノモグラム変更ができる。
・角膜の形状は全屈折よりは変化が少ない
・通常瞳孔での測定なのでアラインメントがずれか少ない。
などの利点があります。しかし、測定値の信頼度によっては、ALLEGRETTOではwave-front-optimizedなので、矯正度数最優先のstandard照射の方がよい結果となることもあり得ます。当院では、患者の希望ではなく、自覚屈折、測定データ、近視・乱視の程度等で、総合的に判断して、照射法を、当院が決定します。したがって、照射方法の別で、手術値段の差はつけていません。
遠距離の手術希望者は、LASIKの当日検査当日手術をしています。
以下が条件です。
・20歳以上39歳までで初回手術のみ
・手術はLASIKで、PRKは原則として当日手術の適応外です。
・矯正視力が、両眼共1.5以上あること
・住所が京都府南部、大阪府、奈良県北部、滋賀県南部は不可
・円錐角膜、角膜ヘルペス、抗うつ剤内服、の既往歴がないこと
・照会・申し込み(まず、資料請求をしてください)はインターネット経由のメールのみで電話では応対しません。
・携帯電話からのメールでは、返信できないことがあります。連絡がない場合は、パソコンからメールを送ってください。
当院は良いと思えば、積極的に新技術・機械を導入しています。
・LASIKは100番目位?の導入( 厚生省のNidek の認可を待っていました)
・Intra-LASIKは、3番目(錦糸、神奈川の次)
・RS-LASIKは、3番目(東京近視、レイ眼科の次)
・Epitomeを購入したのは、日本で最初、ただし、現在はAmoilsに変更
・trans-epithelial PRKは100番目位?の導入(LASIK導入に必須)
・LASEKは、10番目位?
・ASAは、日本で最初?(LASEKセットがあれば出来るので、もっと早い人もいるかも)
・Epi-LASIKからEpi-PRKに移行したのは2番目(東京八重洲が最初)
・アレグレットの導入は、3番目(神戸、聖母の次)
・EX-500は、3番目(東京近視、レイ眼科の次)
・ウェーブ・フロントは、10番目位?(アレグレットでは初めて)
・トポリンクは、日本で最初
・スタンダード照射での、瞳孔位置補正は、2 番目( 錦糸が最初)
・CXLは、5番目位?
・PPTは、日本で最初
・RKは、道具・設備はあり研修はうけましたが、手術はしませんでした。
・phakic IOLは、未だ躊躇していて、導入していません。
当院のモットーは |
1. 家族や親しい友人に勧められない治療はしない。
2. よい治療を、特別の人だけのものにしない。
です。 |
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