オルソケラトロジー

 当院でも、オルソKを開始します。手術ではないので、航空機パイロット等の近視矯正手術禁止規定には抵触しません。子供でも使用できます。

 オルソK(OrthoKeratology,OK ,Ortho-K,オルソケラトロジー)とは、ハードコンタクトレンズを装用することにより、意図的に角膜を変形させ、コンタクトレンズを外した状態でも、ある期間は、裸眼で視力を得る方法です。通常は、夜間就寝時のに装用します。いわば、角膜の矯正下着という方法です。

目次
オルソKの効果
近視矯正手術LASIKとの比較
販売ではなく契約である理由
オルソKの診察と料金について
オルソKの中止
指示の遵守

 

 

オルソKの効果

 個人差が有りますが、1 週間程度では下のようにかなりよく見えるようになります。

年齢性別屈折OK 前OK 後1週
9男性S-2.5 C-0.250.11.0
S-2.25 C-1.00.151.0
15男性S-3.00.11.5
S-2.25 C-0.250.151.5
21男性S-3.5 C-0.750.31.2
S-3.25 C-0.50.21.2
28男性S-1.5 C-0.750.21.5
S-2.75 C-0.5 0.11.5
32女性S-3.00.07 1.0
S-2.750.09 0.9
33男性S-3.5 C-0.50.061.2
S-3.25 C-0.50.11.2
39男性S-1.25 C-0.25 0.21.5
S-1.0 0.52.0

以上のように、開始前は、裸眼視力0.1 程度( - 4 D 未満 )が適当です。
希望者のうち、半数位は、『近視が強すぎる』『フィッティング が不適当』『ハード・コンタクトレンズの初期装用が困難』などの理由で、適応外となっています。


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近視矯正手術LASIKとの比較

 オルソKは、良くも悪くも、装用を中止すれば、角膜の形状は、1週間〜1ヶ月程度で元に戻ると考えられます。そして、効果を維持するためには、当然に定期的な装用が必要です。LASIKは、手術であり、一度施行すれば、元の状態には戻りません。しかし、手術後は自分でする事は、しばらくの期間、点眼をする程度です。 オルソKは、年齢制限はなく、また近視進行予防の効果もあると考えられています。LASIKは18歳未満の人には、まだ近視の進行が止まっていないと考えられるので、原則として適応はありません。手術後も、近視の進行阻止はできません。
 矯正効果は、オルソKよりLASIKの方が良好で、予測精度もLASIKの方が正確です。

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販売ではなく契約である理由

 第一に、オルソKレンズ( 当院の現在使用中のレンズは、メーカーから認可申請中なので厚生労働省を刺激したくないとのことで、公表を控えてほしいと依頼があり、可能な限り情報公開するという当院の方針とは異なり、残念ですが、製品名を差し控えさせていただきます) は、厚生労働省の認可はうけていません。従って、コンタクトレンズ業者も含めて通常の販売はできません。しかし、日本では、医師が治療目的で、個人輸入を行い、自由診療で使用することは出来ます。したがって、保険診療ではなく個別契約となります。
 第二に、この治療法は、歴史が浅く、合併症がよく判っていません。そこで、本当に、厳重に管理する必要があります。
 契約終了時には、医師の管理下から外れるのでレンズを返却していただきます。

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オルソKの診察と料金について

 希望者は、普通のコンタクトレンズ処方時と同様の眼科検査をするので保険証を持参してください。オルソKの適応があれば、無料で30分間装用での、ある程度の視力改善を実感してもらいます。
本人用レンズの発注には5万円の保証金を預かります。約1月の納期の後に、契約開始とし、1年目は10万、2年目以降は5万となります。
開始後1月以内に契約を中止した場合は、半額を返金します。レンズの変更・更新は両眼で5万です。また初診診察料以外は全てに消費税が必要で、用品類も別途必要です。

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オルソKの中止

 角膜の状態、指示への遵守状態によっては、中止を指示することもあります。この場合のキャンセル料等は、本人の希望による中止と同じとします。

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指示の遵守

 指示に従わないことが予想されれば、契約できません。

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