緑内障

猫4
0 SGL(Stellate Ganglion Lizer)
星状神経節近傍直線偏向近赤外線照射治療

SGLとは、麻酔薬を注射する星状神経節ブロック(SGB) ではなく、首にある星状神経節 という交感神経節に近赤外線照射をして機能を抑えることにより、顔面、眼球、頭部等の 血液の循環をよくして、治療効果を期待する方法です。副作用は事実上ありません。


0 緑内障とは
緑内障とは眼圧( 眼内圧 )が高すぎて、視野狭窄が進行する病気です。 したがって、手術や点眼内服で眼圧を下げるのが、直接の治療ですが、眼圧が正常範囲に なっても、視野狭窄が進行することが知られています。この場合は、眼の循環障害が大き く関係していると考えられています。

緑内障に、この方法を最初に行って、改善する筈がないと思われていた緑内障の視野狭窄 が改善することを学会発表されたのは森茂先生( 諫早市 )です。 当院でも開始したところ、確かに自覚的にも明るくなり、視野も改善することが判明しま した。 この治療は、週に1 〜 3回の頻度で、数カ月間は続ける必要があるために、自宅からの距 離が遠いと交通費のほうが高くついてしまいます。京都府では当院以外の眼科では、博愛 会病院眼科( TEL 075-781-1131) が同じ機械で同じ目的に治療しています。 眼科の他の病気では網膜血管循環障害(網膜静脈閉塞症など)の初期にも使用します。


0 SGL 治療の成績(n=25)
データは『緑内障で、視野狭窄があり、本人も狭窄を自覚している人』で『3 ケ月間に、 週に 1度以上の頻度で治療できた人』を対象としました。

自覚的に、治療前に比べて
暗くなった 0%
変化ない 56%
明るくなった 44%

静的視野(OCTPUS 1−2−3)の網膜感度
低下 40%
改善 60%

と、治療したほうがやや良いという結果です。





東京医研社製スーパーライザーHA2200TP1 の治療風景
0緑内障にSLTレーザー治療
(SLT = Selective Laser Trabeculoplasty)

緑内障は、眼圧(眼内圧)が高すぎて、神経が減っていき、視野狭窄が進む病気です。
視野狭窄を自覚してからの治療では、悪化分はもどらないので、早期治療が必要です。
治療は、点眼治療開始、点眼4種でもコントロール不能なら、手術[軽ければ、流出経路再建術(ロトミー、いわば、排水溝を切開)、重ければ(レクトミー、別の排水溝を作る)]というのが、一般的な順番です。

点眼治療は簡便のように思えますが、しみる、充血する、程度は、仕方ないとしても、暗黒感、睫毛乱生、色素沈着、角膜糜爛、徐脈、喘息の悪化、等の副作用も多く、特に、点眼アレルギーによる眼瞼障害がでれば、中止せざる得ません。また、正しくさせていない、点眼をさぼる(処方量と受診期間が合わない)などの、問題もあります。

ロトミー手術は、問題になるような合併症もなく、眼圧降下にも優れており、点眼よりロトミー手術をする方が、良いのですが、観血手術なので、患者さんの理解を得るのは、難しく、仕方なく、点眼治療から開始しているのが、実情です。

以前はALTレーザー(排水溝に穴を開ける)治療という方法がありました。効果がいまひとつなのと、ロトミーの手術効果を減弱する欠点があり、現在は行われていません。
SLTレーザー(排水溝の掃除する)治療は副作用もなく、点眼1種程度の眼圧下降効果もあるので、まずレーザー、その後点眼、手術の順の治療をしている病院(福井日赤)もあります。

レーザー治療時間は、数分で、痛みもありません。治療前後の行動の制限はありません。
レーザー後、数日は、軽い霧視や充血があります。

1ヶ月後の診察で、効果判定します。7割程度に、眼圧が下降を認めますが、3割程度の人は、眼圧が変化していません。事前の診察で、有効か無効かは予想できません。
効果が確認できれば、他眼の治療も、考えます。

点眼も手術も、時間とともに、効果が減弱しますが、レーザーも同じです。平均すると、3年位で効果がなくなり、レーザーを追加すると眼圧は下降します。
レーザー追加後1年半位で、レーザー前の眼圧にもどるので、点眼の追加や手術となります。副作用の強い治療開始を5年遅らせたと考えてください。

費用は保険診療であり、1割負担で約1万円、3割負担で約3万円です。
民間の医療保険や共済で給付の対象となる場合があります。保険会社に問い合わせてください。
「K273隅角光凝固術」です。